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環境を整えて子どもの生きる力を引き出すモンテッソーリ教育
<3〜6歳の敏感期のために>
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1. お誘いの言葉
2.
なぜ、整えられた環境が必要なのでしょう?
◆「敏感期」に大切な環境の重要性
3.3〜6歳児の発達
◆発達の特徴と「敏感期」
◆「手」を使うための環境
◆異年齢の日常的な関わり
◆モンテッソーリの感覚教具
◆3〜6歳児にとっての「数」
◆3〜6歳児にとっての「ことば」
◆敏感期に適切な環境で育まれた子どもは…
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1. お誘いの言葉
人は、膨大な情報がインプットできる一千億という脳細胞を持って生まれてきます。この脳細胞は生まれたときはまっさらの白紙の状態ですが、成長の過程で様々な能力を身につけていきます。
例えば、言葉の獲得についてみてみると、日本語を話す環境では日本語を、英語を話す環境では英語をというように、子どもは生まれてから2〜3年の間に、自分の周りの言葉を特別な努力をしないで覚えてしまいます。興味深いのは、この何の苦もなく身につけることができるという能力が一定の期間だけ表れるということと、この期間の子どもが周囲の言葉にじつに敏感に反応し、集中して聞いているということです。
モンテッソーリ教育の創始者であるマリア・モンテッソーリは、この一定の期間にだけ表れる強い好奇心と、その強い好奇心によって何度でも繰り返して行なう集中現象が起きる時期を「敏感期」と名づけ、その時期の教育環境の重要性を唱えました。特に、3〜6歳の子どもは、様々な「敏感期」を迎え、もの凄いスピードで日々成長していきます。そして、言葉、文化、生活様式などを自分の置かれた環境から吸収し、あらゆる能力を獲得していきます。ですから、この時期の子どもの能力を最大限に引き出すためには、環境を整えることが最も重要であるとマリア・モンテッソーリは提唱しているのです。
私たち高根学園スタッフ一同はこのモンテッソーリ教育に基づいた教育環境を整えて、お父さまやお母さまとご一緒に大切なお子さまの成長のお手伝いができることを楽しみにしております。
どうぞ、いつでもご来園頂きますことをお待ちしております。
2.
なぜ、整えられた環境が必要なのでしょう?
モンテッソーリ教育では、たくさんの「敏感期」を迎える3〜6歳児にとって、環境が何より重要であると唱えています。それは、この時期の子どもの成長の仕方が、新しい局面を迎えることによります。子どもが迎える次の成長のステージについて、その「敏感期」と合わせて見ていきましょう。
◆「敏感期」に大切な環境の重要性
モンテッソーリ教育の創始者であり、イタリア初の女医でもあったマリア・モンテッソーリが、子どもの教育において最も尊重すべきと考えたのが、子どもの成長過程で表れる「敏感期」です。「敏感期」とは、生まれながらに備わった能力を引き出し、自らの力で生きて行くすべを獲得していくために、特別な事に敏感になる限られた期間のことで、大切な命のプログラムと言うことができます。
マリア・モンテッソーリは20世紀を代表する生物学者ヒューゴ・デ・フリースが発見した蝶の幼虫の「向光性」にヒントを得て、人間にも「敏感期」があるということを発見しました。F・デ・フリースが発見した「向光性」とは、生まれたばかりの目が見えない蝶の幼虫が誰にも命令されずに光に反応して、ただひたすらに光源に向かい、木の先端にある柔らかい新芽にたどり着くという神秘的な現象のことです。この現象がなければ幼虫は栄養を取ることができずに死に至ってしまいます。また、ある程度成長して固い葉が食べられるようになると、この「向光性」は消えてしまいますが、幼虫が死ぬことはありません。ここで大切なのは、幼虫の持つ「向光性」とそれが生かされる「光・光源」という環境があったということです。この環境が無ければ、生命のプログラムである「向光性」を発揮することはないでしょう。
このように生きるためにある期間だけ表れる生命のプログラム=「敏感期」が人間にも表れるということを子どもを観察する中からマリア・モンテッソーリは発見し、環境が重要であることに気づいたのです。
3. 3〜6歳児の発達
自分の周りの環境からすべてのものを吸収していた0〜3歳の時期から、意識を持って環境から吸収し、そして環境に働きかける3〜6歳児の特徴を「敏感期」に注目しながら見ていきましょう。
◆発達の特徴と「敏感期」
この時期の子どもたちは、知性と社会性の発達に関わるものへの敏感期で、
*自分を取り巻く生活に参加したいという本能的な欲求を持っている。
*手を使うことを好む。
*ことばに対して敏感である。
*数や形、正確さ、順番などに対して敏感である。
などの特徴があります。
それまで、自分を取り巻く環境(ことばや生活様式全般)を観察し、模倣しながら生きる力を獲得してきましたが、3〜6歳児の子どもは、吸収したことを脳が分類・整理していく時期になります。
五感を使って環境から吸収する一方で、それまで培った能力を使って、自分自身で行動したいという自立心や物事をやり遂げる意欲、物事を探求していく姿勢、自分で考えるという姿勢が見られるようになります。
また、この時期の子どもは、家族以外に自分が属する集団(幼稚園や保育園のクラス)への帰属意識を持つようになります。
このような3〜6歳児の敏感期に従って、環境を準備すると子どもは、自分で自分を自然に創り上げて行きます。ですから、大人は環境を整えてその子どもの気持ちに寄り添い、共鳴しながら援助していくことが大切になります。
◆「手」を使うための環境
「手」は第二の脳と言われるほど、人間の心身の発達と深い関係があります。マリア・モンテッソーリは「子どもの知能や技能は、手を使わなくてもある水準まで達することはできますが、手を使う活動によってさらに鍛錬され、高い水準へと導かれていきます。」と言っています。
ちょうどこの時期に顕著に表れている「〜しよう・したい」という「自立」の芽は「手」を使うことによって、新たな発見や思考が子どもの中に生まれます。そして作業がより良く行なえるようになるだけでなく、心の発達にも大きく影響を及ぼします。
モンテッソーリ教育では、この3〜6歳児が五感(視覚・聴覚・触覚・臭覚・味覚)を使って吸収することを、自らの手を使って実践できるように環境を整えます。例えば、テーブルを拭いたり、キュウリを切ったり、水差しからコップに水を注ぐなど子どもの身体のサイズに合った「本物の道具」を用意し、「本物の仕事」ができるようにしています。
子どもたちは驚くほどの集中力を見せて、五感を使って入ってきた情報を手を使いながら整理し、深く理解していきます。この作業を通して子どもたちは満足し、心が安定することで深い幸福感を得ることができますので、将来、人間関係や勉強などで困難なことにぶつかっても智恵を使って適応していく強い精神力が育ちます。
◆異年齢の日常的な関わり
モンテッソーリ教育では、3〜6歳の異年齢の子どもたちが、それぞれの目的に応じて自由に教室を移動しながら生活をしています。その中で、年少児は年長児の行動を憧れや敬いながら、とても良く観察しています。そして自分もその活動をやってみようという挑戦する気持ちが芽生えます。また、年長児は年少児を助け、励ましたり慰めたりすることを通して弱い者をいたわる心が育つと共に、最大限の力で活動に取り組む意欲も育ちます。ここでは競争ではなく、協力による集団生活が営まれます。
このような異年齢の集団でも落ち着いて活動に集中できるのは、個々が自由に、存分に活動できる時間とスペースという整えられた環境があるからです。子どもの「個と集団」を尊重する事により、子どもの心に「いろんな子がいるけれど、自分と同じようにみんなも大切な存在なのだ」という共存の精神=社会性・思いやりが生まれるのです。
◆モンテッソーリの感覚教具
3〜6歳児の発達の特徴である「吸収したことを脳が分類・整理していく」この時期は物を詳細に比較して違いを見つける事ができる感覚の敏感期でもあります。そのため、マリア・モンテッソーリは感覚をより洗練できる様々な「感覚教具」を考案しました。
教具自体はシンプルでありながら、重さ、色、質感、音階、数(10ずつの単位)などに対して感覚の発達を援助するように設計されています。また、この時期の子どもにとって、手を使うことが五感の連携を促し、総合的な感覚と心身の発達に有効であることも考慮されています。
教室に入った子どもが、引き寄せられるように教具に向かい、集中する姿には目を見張るものがあり、感動すら覚えます。
◆3〜6歳児にとっての「数」
一般的には難解と思われている数学の概念ですが、マリア・モンテッソーリは、「人間は生まれながらにして数学的頭脳を持つ傾向にある。」と言っています。
日常生活では、料理や買い物、ダンスや音楽のリズム、車の運転速度、時計などはかったり計算したりということを繰り返しています。階段など無意識にその幅や高さなどを目測して行動していることにも気づきます。
モンテッソーリ教育では、この時期に現れる数や形、正確さに対する敏感性に注目し、感覚教具を用いて「数学的概念」を感覚的に身につけて行きます。これは子どもの内側から現れる数学的な欲求に応えるための活動で、決して数式などを教え込むのではありません。
この感覚教具という具体物を使って得た数や形に対する理解はやがて学ぶことになる抽象的な概念を理解するための基礎となり、大変重要です。
◆3〜6歳児にとっての「ことば」
人間のどんな意思や思考もことばによって伝えられるという面から、ことばは子どもの発達のすべての段階において最も重要な要素となります。
2歳頃に見られたことばに対する敏感期後、ことばを操る段階を迎え、急激に自分のことばの広がりを見せます。モンテッソーリ教育では語彙を豊かにする活動や会話や質問遊び、読み聞かせなど様々なコミュニケーションを取りながら、ことばに対する意識やセンスを磨いていきます。
子どもの「話したい」という自然な発達の要求に「なぁに?」と優しく応じることで子どもの「もっと話したい」という気持ちが湧き、語彙への興味が膨らんで多くのことばを吸収していきます。
また、しっかり聞いて貰えた満足感から自分もしっかりと聞くという態度が生まれます。
更に、話していることを書いてみたいという文字への興味も出てきますので、書くための「手」の準備ができた頃、文字を書くという活動を教室に準備します。そして読むという段階はその次のステップとなります。
◆敏感期に適切な環境で育まれた子どもは…
敏感期に適切なタイミングと環境によって育った子どもは、心身共に満たされ幸福感を感じています。その満たされた心身には「自信」が育っています。そして、できるようになるまで見守ってもらえることの安心感で、安定した心や自己コントロールも培われています。
自我と他者との関わりを身につけながら、自己の目標に向かって努力や工夫を惜しまない、たくましい人間に成長していける土台が、6歳までに完成します。
人間の一生のうちで0〜6歳の時期は人格を形成する上で一番重要な時期です。その時期に自分で培った人格は生涯を通じて自分自身を成長させていく源となります。6歳以降は別の敏感期が訪れますから、その時では間に合わなくなってしまいます。
どうぞいつでもご来園いただき、幼稚園での集団生活をご覧ださい。そして「一人でできるように手伝ってください」と言っている大切なお子さまの成長をご一緒に見守り、育んで参りましょう。
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